酸蝕歯(さんしょくし)とはなんだろう
「酸蝕歯」とは、酸の成分によって歯が溶けてしまった状態のことを言います。歯の表側にあるエナメル質という層が損傷して、少しずつ薄くなることで歯の先端部分から透明になることが特徴です。
酸蝕歯と言うことに気づいていないだけという場合もあるので、まずは自分自身の歯が透明になっていないか、鏡で確認してみることをお勧めします。老若男女を問わず起きる症状で、4人に1人は酸蝕歯があるという研究結果もあります。
酸蝕歯はどんな症状が起きるの?
酸蝕歯は知覚過敏を招く
最初の症状であれば、エナメル質を強くする歯磨き粉を選択するなど、自らケアを行う場合も対策の一つになりますが、まずは歯が無くなってしまう前に歯科専門医に相談することが重要です。
酸蝕歯を放置しておくことで起きる問題は、外見が悪くなってしまう場合だけではありません。歯の表面を守っているエナメル質が溶けてしまうことで、悪化すれば歯を失うこともあります。他にも、歯が削られることで古い詰め物が突如外れたり、かみ合わせが悪くなったり、知覚過敏になって歯がしみることもあります。
初期症状
・歯の表面が少しずつ丸みを帯びてくる
・歯が薄くなってしまうことで象牙質が表面に出てくる様になり、歯が少しずつ黄色く見える場合があります
・熱くなっている飲み物や冷たくなった飲み物が歯に触れた時に、染みてしまう(知覚過敏)
中期以降の症状
・象牙質がより鮮明に見えてくるため、歯がより黄色くなり、茶色っぽくなってくる
・酸蝕歯と判断できない症状も多く、治療開始が遅れてしまうこともあります。
・知覚過敏が更に重症化する
・歯の先端が薄くなることで透明になる
・歯の先端や表面に小さな窪みが表れる
酸蝕歯の改善策
生活の習慣を一部分だけ見直すだけでも予防に繋がります。日ごろから意識してみましょう
①ブラッシングのタイミングに気を付ける
食べた後にすぐのエナメル質が柔らかくなっている時間帯を避けてブラッシングをする
②歯ブラシの硬さにこだわる
表面のエナメル質を傷つけないよう、柔らかい歯ブラシで優しく歯磨きをする
③唾液を増やすように工夫する
市販のガムなどでエナメル質の保護や酸を弱める働きが考えられる
④食べ物や飲み物に気をつける
日頃から酸の強いものを食べたら、水やお茶を飲んだりうがいをしたりして綺麗にする
日常から摂取が多いと感じる場合は意識して減らして酸を口の中に残した状態を控える
ゆっくり時間をかけて酸蝕歯は進行していくため、日ごろの予防と歯医者さんでの検診が重要になります。
酸蝕歯の原因
もし酸が歯に触れる機会が多いと、その分エナメル質を痛める要因となります。また、飲み物や食べ物に含まれる酸は、歯のエナメル質を柔らかくする効果があり、その際に力強い歯磨きをすることでエナメル質が損傷するパターンもあります。
それらの特徴から、以下のように普段から摂取する飲食物や生活習慣が大きく関係していることがあります。
①唾液の分泌が少ない
口内を洗い流すことができる唾液が多くないと、酸の濃度が高くなったままになる。
②胃酸などによる原因
体内の胃液はレモンと同じくらいかそれ以上の強酸性がある。逆流性食道炎をはじめとした食道や胃の病気により、頻繁な胃酸や嘔吐の逆流があると、酸が歯に付着する
習慣的な嘔吐の繰り返しも原因になる。そして、麻薬や覚醒剤、シンナーといった薬物の使用によって歯が溶けてしまう要因にもなります。これらが酸性度の高い薬物であることが窺えます。
③酸の強い食事が原因
炭酸飲料、酢柑橘類、ワインを多く含んだ食品などを好んで食事する
④歯磨きをせずに就寝する
飲み終わった後、歯磨きをせず寝てしまうと長い期間にわたり酸が歯と接触する
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