普段はとくに痛みを感じないのに「噛む」ことで痛みが出る場合もあります。
食べ物を噛んだ時にだけ痛みが出ているこの症状は、歯の中の何らかのトラブルを意味していますので、なるべく早く歯科を受診し、治療を開始しましょう。
今回はどうして歯が痛むのか、歯科受診前に痛みが強く出た時の応急処置の方法について詳しくご紹介します。
噛んだ時の痛みの原因とは？
歯のズキズキとした痛みの原因はいくつか考えられます。
今回はその原因として多い5つのケースを紹介します。
虫歯
初期の虫歯は、歯の表面のエナメル質が溶けて、歯の一部が欠けているような状態ですが、進行すると虫歯菌が神経にまで届き、鋭い痛みが出ます。
虫歯の治療法は、進行具合によっても大きく異なりますが、基本は虫歯を綺麗に削り取って、詰め物や被せ物でフタをします。
重度の虫歯の場合は、根管治療が必要になることもあります。
見た目上、虫歯になっている歯がなかったとしても見えない部分に虫歯が隠れている可能性があります。
例えば、虫歯の治療痕です。
詰め物や被せ物の下が虫歯に冒されて、再発していることもあるため、見た目上の問題がなくとも歯科医院を積極的に受診してください。
歯根膜炎
歯根膜炎は、歯根の周囲にある膜に炎症が生じている状態を指します。
この膜は、歯を支えている歯槽骨と歯を繋ぐ重要な組織で、噛んだ時の負荷を吸収・緩和するクッションのような役割があります。
歯根膜炎の治療法は、根管治療で歯の根の清掃と消毒を繰り返し、炎症を鎮めることです。
重度の歯根膜炎の場合は抜歯をしたほうが良い場合もあります。
歯周病
歯周病は名前の通り、歯の周辺の組織に炎症が起きている状態のことです。
歯肉炎、歯周炎の進行を経て、歯周病となります。歯肉炎の内は歯茎が赤く腫れる程度ですが、歯周炎になると歯周ポケットが深くなり、歯槽骨を溶かします。
原因は、口腔内に残った歯垢（プラーク）や歯石です。歯周病菌はこれらの中に多く住み着き、増殖していきます。
治療方法は、歯に付着した汚れを綺麗に清掃して、炎症を鎮めることからはじめます。
とくに歯石は歯に強固にこびりつき、歯磨きでは落とせない汚れとなっているため、歯科衛生士によるスケーリングが必要です。
症状が進行している時は歯茎を切って中の膿を取り除いたり、抗生剤を使用することもあります。
歯を残存させることが難しいくらい重症化してしまうこともあるため、注意が必要です。
歯根破折
歯根破折とは、虫歯、歯周病、歯軋り、交通事故や怪我、その他の理由によって歯にひびが入ったり、折れてしまっていることです。
破折の具合はさまざまですが、目視できる「歯冠部」、歯茎の中の「歯根部」と歯の全体で生じる可能性があります。
歯を失う原因として多い歯周病、虫歯に次いで、抜歯のリスクが高い症状です。
破折が一部の時は、根管治療をして被せ物でフタをする治療を行いますが、抜歯を余儀なくされるケースもあります。
歯根嚢胞
歯根嚢胞（しこんのうほう）とは、歯の根にある膿の袋ができた状態を指します。
噛む動作でこの嚢胞が圧迫されることによって、痛みが出ます。
嚢胞の中に膿が溜まり大きくなると、神経を圧迫して激痛を伴うこともあります。
原因は虫歯や歯周病、外傷で歯の中の神経にまで細菌が侵入し、感染が拡大してしまうことです。
治療法は細菌に冒された神経の除去、そしてその周囲の清掃・消毒です。
重症化した場合は、抜歯を行い、嚢胞そのものを摘出することもあります。
痛みが辛い時の応急処置
痛みが不快な時は、以下の応急処置を試してください。
・患部を冷やす
・鎮痛剤を服用する
・ぬるま湯で口をすすいで清潔に保つ
痛みで仕事が手につかない、夜眠れないといった時の一時的な対処として行ってください。
患部を冷やす
患部を冷やすことによって、痛みが和らぐことがあります。
頬に冷たいタオルやタオルで包んだ氷などを当てて、ゆっくり冷やしてください。
氷を舐めるなどの方法も有効ですが、急激に冷やすと温度変化から痛みが強まることがあるので注意が必要です。
また、氷を頬に直接当てると低温やけどのリスクがありますので、気をつけてください。
鎮痛剤を服用する
ロキソニンなどの鎮痛剤を飲めば、痛みを軽減できます。
市販のものでも構わないので、無理をせず服用してください。
ただ、一時的な効果しか見込めませんので、毎日痛み止めで凌ぐのはNGです。
早めに歯科で適切な治療を受けてください。
口の中をぬるま湯ですすぐ
口の中の痛みが気になる時は、ぬるま湯で優しく口腔内を洗い流してください。
これは痛みをとるというよりは、悪化させないようにするために大切なことです。
冷水やお湯ですすぐと、しみたり、血行がよくなったりして痛みが増すことがあるので、人肌に近い温度のぬるま湯ですすぐようにしてください。
症状がある時はなるべく早く歯科を受診してください
歯に症状が出たら、「異常が出ていますよ」という歯からのサインだと思ってください。
すぐ治療が出来ない場合は応急処置も活用していただきたいところですが、なるべく早く受診することをおすすめします。
痛みが出ている状態というのは、虫歯、歯周病、その他の原因に関わらず、歯の内部の神経にまで症状が出ているということになります。
さらに進行すれば、歯を抜かざるを得ない状態になる可能性がありますので、そうならないためにも、早めにご相談ください。
千葉県船橋市、習志野市、千葉市、四街道市、東京都中央区、練馬区、港区など、ご自宅や施設へ歯科訪問いたしますので、お気軽にご連絡ください。