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口腔内細菌と大腸がん

大腸がんは腸内細菌や口腔内細菌が大きく関与していることが知られてきています。

特にフソバクテリウム・ヌクレアタムやアクチノマイセス・オドントリティカスという口腔内細菌が大腸がんの発がん初期段階の患者の便に特徴的に多く存在することが分かっています。

【大腸がんとは?】

大腸がんは大腸に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものに分類されます。

日本人はS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。大腸の粘膜に発生した大腸がんは大腸の壁に深く侵入し、大腸の壁の外まで広がり腹腔内に散らばります。さらに、リンパ節転移や血液の流れに乗って肝臓、肺など別の臓器に遠隔転移することもあります。

早期では自覚症状はほとんどありませんが、代表的な症状として血便や下血が見られます。また、進行してくると腸閉塞となり、便が出ずに腹痛や嘔吐などの症状が起こります。⼤腸がんは男性では11⼈に1⼈、⼥性では13⼈に1⼈が⼀⽣に⼀度は罹患するといわれています。

【歯周病と大腸がん】

横浜市立大学の研究チームは、歯周病治療によって便中のフソバクテリウム・ヌクレアタムが減少すること、また大腸がん組織にも同じ遺伝子タイプの菌株が存在することを発見しました。

歯周病は、単に口内の問題だけでなく、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。

特に、大腸がんだけでなく、心血管疾患や糖尿病など、さまざまな病気のリスクを高めることが知られています。

【定期的にお口の健康チェックを!】

まずは、定期的に歯科医のチェックを受け、歯周ポケットの掃除やバイオフィルムの除去をしてもらいましょう。

また、家庭や職場での適切な歯磨きを日常の習慣にすることが大切です。これにより、歯周病の予防とともに、大腸がんなどの全身の病気から自分自身を守ることができます。