噛むと脳が元気になる!(その2)

前回のつづきのお話になります。

【歯を欠損すると何か影響はある?】

短期記憶をつかさどる“海馬”では日々新たな神経細胞が生まれています。

歯を失くして本数が減少すると、それに伴い誕生する細胞数が減ります。
実際に実験や調査で、歯の本数と海馬の容積の減少が比例することが明らかになっています。
ただ、その中で「ほぼすべての歯を失くしていても、義歯を使っている人はそうでない人に比べて認知症を発症しにくい」というデータも存在します。
欠損歯が増えてきても、義歯などの補綴治療を行なうことで脳の機能をキープできるでしょう。

咬合力を維持させることが重要です。

不快感やストレスの軽減

脳の中には扁桃体という、五感からの刺激を快不快で判別する部分があります。
噛むことで扁桃体の働きが抑制され、不快のシグナルが大脳へ送られにくくなった結果、ストレスを感じにくくなるでしょう。
過去に“嫌な音を聴きながらガムを噛む”という実験が行われました。

嫌な音を聴くことでストレスが増大し、扁桃体の活動が活発になったそうです。

しかしそこに「ガムを噛む」というプロセスを加えることで、ストレスが減少して扁桃体の動きも低下したのです。

幸福度の上昇

セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、精神の安定に欠かせない脳内物質です。

セロトニンは咬合によって増加しますが、何らかの事情で分泌量が減ると不安や目覚めの悪さ、集中力の低下などにつながります。
多く分泌するには、一定のリズムで同様の動きをリピートする「リズム運動」がおすすめです。

食べ物の咀嚼はまさにリズム運動であり、誰でも毎日のように行なっていることです。

何気なくやっていることが、日常生活における幸福度を増大させているのです。

【最後に】


日本の平均寿命はどんどん延びており、人生100年時代とも言われています。

数十年後には、さらに長寿大国となっているかもしれませんね。

今回紹介した情報を参考にして、歯だけでなく脳や全身の健康を維持しましょう。